RFIDタグの価格は1円以下を実現!?気になるタグの最新価格動向と導入事例を徹底分析!

  • 2月 19, 2020
  • RFID

ユニクロが全商品にRFIDタグ(ICタグ)を導入するなど、アパレル業界ではRFIDが普及しています。しかし、製造業など他業界では、RFID導入にやや高いハードルがありました。

それはRFIDタグが

  • 通常のRFIDタグだと金属に貼付すると読み取れなかったこと

  • 金属に対応できるタグが高価だったこと

です。

ところが昨今、RFIDタグの需要増加や技術進歩により、通常のタグであれば10円程度、金属対応タグでも100円程度まで下がっています。コストや金属物の問題でRFID導入を見送っていた方々は、もう一度検討してみるのがオススメです。そこで今回の記事では、RFID導入に必要なアイテムとコストに触れた後、RFIDタグの最新価格動向、RFIDの導入事例、RFID導入のポイントについて詳しく解説します。

RFIDに必要なアイテムと導入コスト

RFIDの最小機器構成は、「RFIDタグ」と、「リーダーライター」になります。RFIDタグとリーダーライターとの間で通信を行い、データの読み書きを行う仕組みです。ただし、最小構成だけで稼働している現場はなく、様々なアイテムと一緒に使われています。

構成アイテム

RFID導入時に必要になる主なアイテムと価格帯は、以下の通りです。

アイテム 主な用途 価格帯
RFIDタグ 製品情報の格納

1枚:5円~

※金属対応タグは1枚:100円~

リーダーライター

RFIDタグの読込み

RFIDタグへの書込み

RFIDタグの探索

・ハンディ型(棚卸などに利用):20万円前後

・据置型(決済などに利用):20万円前後

・ゲート型(倉庫の入出荷などに利用):数百万円

ソフトウェア データ処理・解析 提供メーカーにより異なる

周辺機器

(PC、サーバ、ルータ、プリンターなど)

ネットワーク構成 RFIDプリンター:ドライバーと合わせて50~100万円の製品が一般的

一般的に、RFIDタグは発注枚数を増やすと単価が下がります。工場などの固定資産管理においては、対象物にタグを貼ってしまえば半永久的に使い続けられますので、RFIDタグの価格は長期的な視点を持って考えることが大切です

導入コスト

上記の費用に加え、機材設置にかかるメーカー側の人件費、新しい業務運用に慣れるための社員トレーニング費用などが合算されることがあります。RFIDの導入においては、人件費の削減効果を算出しておき、メーカーからのRFID導入見積りと比較しながら進めるのが良いでしょう。

RFIDタグの最新価格動向

10~15年前は1枚何十円もしていたRFIDタグですが、今では安いと1枚5円程にまで下がっています。高額であった金属対応タグもラインナップが増え、1枚100円を切るタグが登場しました。では今後、RFIDタグの価格はどのように変化するのでしょうか?RFIDタグの価格動向は、導入時期を決める上でとても重要なポイントになります。

RFIDタグの価格は毎年2%ずつ下がっている

みずほ情報総研株式会社の調査では、タグの価格は年2%の水準で下がり、高性能で安価な金属タグの研究が進んでいることが示されています。

東レの低コスト塗布型RFIDタグ

現行のRFIDタグは、ICチップの複雑な製造やアンテナへの取付工程が製造コスト低下の壁になっています。そこで、東レは安価な塗布方法で製造できるRFIDタグの開発に取り組んでいます。電子回路を直接プリントするこの技術によって、従来の5分の1以下のコストで製造できると言われています。まだ通信距離が20cmであったりと実用化に向けては更なる開発が必要ですが、RFIDの爆発的な普及につながる画期的な取り組みです。このような新たな技術革新が生まれると、年2%以上の水準で価格が下がる可能性があり、今後の開発に注目です。

参考記事:レジ自動化の普及を加速させる低コスト塗布型RFIDで世界初のUHF帯無線通信を達成

RFIDタグ価格の更なる下落は2025年前後か

経済産業省は、2025年までにコンビニの全商品にRFIDタグを取り付ける「電子タグ1000億枚宣言」を発表しています。RFIDタグの価格が更に大きく下落するには、もう暫く時間がかかると見られています。しかしながら、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達する事により、労働環境の変化が起きます。数年先になってからRFIDの導入を検討を開始するのでは、労働人口の減少と物流量の増加に対応できなくなると懸念されます。経済産業省もシステム刷新で対応するように要請しています。RFIDを導入するかの判断は、タグの価格が下がりきることを待たずに、早めに行う必要があるでしょう。

RFIDの導入事例

ここでは、RFIDの導入事例をいくつかご紹介します。

BEAMS

RFIDの導入以前は、商品の検品・仕分けは、バーコードでスキャンする工程を踏んでいました。これら工程を効率化すれば、接客などの顧客サービスに割ける時間が増えると考え、RFIDの導入を決定しました。導入の結果、時間は「1/10」に減ったと言います。BEAMSは、導入を決めてから1年後には運用を開始しています。自社に必要な機能のみに絞って導入したことで、既存業務への影響を最小減に抑え、スピーディーな導入を実現しました。

豊田通商

自動車部品の棚卸しにかかる時間を短縮したいと考え、RFIDの導入を決定しました。部品の包装箱にRFIDタグを取付け、リーダーでの照合を行っています。導入の結果、時間は「1/8」に減ったと言います。なお、取り扱っている自動車部品は金属製品が多いため、RFIDタグ、RFIDリーダーの選定は、複数メーカーの製品を比較しながら入念に行ったそうです。また、棚の高い位置にある商品の棚卸しのため、AGV(無人搬送車)を活用するなど、RFIDと他の技術を組み合わせた活用を行っています。

佐川グローバルロジスティクス

同社と取引のあるアパレルチェーンのコーエンとのサプライチェーンを強化することと、物流業界の人手不足に対応すること、この2つの目的のため、RFIDの導入を決定しました。これまで手動で行っていた検品業務を改善するために、ゲート式の読取り機を設置し、ゲートを通過することで自動検品が行われる仕組みを構築しました。導入の結果、入荷時間は「1/8」、出荷時間は「1/9」に減ったと言います。

費用対効果を高めるポイント

企業ごとにRFIDのシステム構成や活用方法は異なります。RFID導入のポイントは、「最も解決したい課題を明確にすること」です。今回取り上げた事例の中で、BEAMSの担当者は次のように語っています。「RFIDの導入は難しく考えないこと、万能ではないことを知っておくことが大切だと思います。導入範囲を明確にすることで、自社に見合った導入ができるのではないでしょうか。」自社の課題、クライアントの方向性などを総合的に勘案し、最適な導入方法を検討することが大切です。次章では、RFIDを導入して費用対効果をアップする方法をご紹介します。

ロケーション管理で費用対効果アップ

費用対効果をアップさせるためには、RFIDの活用方法を広げることがポイントです。例えば、棚卸しや入出荷検品だけではなく、アイテム探索に活用することです。アパレル業界ではバックヤードから商品を探す時間、物流業では倉庫で荷物を探す時間、製造業では工場で機器・部品・工具などを探す時間が該当します。これらの時間を削減することは、人件費の削減に直結し、費用対効果アップが大いに期待できます。

しかしながら、課題もありました。それは、「RFIDは複数のタグを瞬時に一括で読み取れるものの、RFIDタグの位置を正確に特定することが難しい」ことです。従来、RFIDタグの位置特定は、タグから発信される電波をリーダーで受信して、電波の強弱を確認しながら行います。タグに近づくにつれてリーダーの受信音が大きくなることで位置が分かる仕組みです。この仕組では周囲に複数のタグがあると反応を示すものの、正確な位置特定はできないという課題がありました。

P3 Finder(RFIDタグの水平・垂直位置を特定するレーダーアプリ)

前項の課題を解消するための製品を一つご紹介します。すでにメディアでも取り上げられている、日米で特許を取得している技術を使用した、RFルーカス社のP3 Finder」です。この製品の最大の特徴は、「RFIDタグの正確な位置情報が分かること」です。独自技術で電波の位相を解析することにより、RFIDタグの正確な位置をアプリに表示します。

探し物がすぐに見つかる高精度レーダーP3 Finder 動画マニュアル

ロケーション管理に優れた機能が搭載されていますので、RFID導入における費用対効果のアップに貢献してくれるでしょう。

まとめ

RFIDタグの価格が下がるにつれ、アパレル業界以外でもRFIDの導入を検討する企業が増えています。しかし、導入ケースによってはコストがネックになることもあります。そのため、「導入範囲を明確にし、できる限り費用対効果を高められる方法を検討すること」が大切です。最後にご紹介したロケーション探索の「P3 Finder」は、費用対効果を高める方法の一例です。複数メーカーのハンディリーダーに対応していますので、リーダーと合わせて検討することのがおすすめです。RFIDの導入は、今回ご紹介したRFIDタグの価格動向を踏まえ、導入の費用対効果を高める方法を把握しながら、自社に合った導入プランを検討していきましょう。